エレキギターを始めようとする際、
最も名前が挙がるモデルの一つがヤマハの「PACIFICA(パシフィカ)112V」です。
結論からお伝えすると、ヤマハ PAC112Vは
「弾きたいジャンルがまだ決まっておらず、1本で何でもこなしたい人」
にとって、これ以上ないほど誠実な選択肢となります。
一方で、特定のアーティストの「あの音」を完璧に再現したい、
あるいは極めて個性的なルックスを求めている人には、
少し優等生すぎて物足りなく感じるかもしれません。
この記事では、パシフィカがなぜ「エレキの定番」と呼ばれているのか、
そして豊富なカラーバリエーションの選び方について解説します。
YAMAHA PAC112Vは「ジャンルを問わず練習したい」初心者向け
エレキギターには、ロック、ポップス、ジャズ、メタルなど、
奏法によって向き不向きのあるモデルが多く存在します。
しかし、ヤマハ PAC112Vは、それら全ての入り口を
一台でカバーできるように設計されています。
- 自分がどんな音楽を好きになるか、まだ探っている最中の方
- 繊細なクリーントーンも、激しい歪みも両方楽しみたい方
- 高い精度で製造された、狂いの少ない楽器で練習を始めたい方
- 1950年代などの「ヴィンテージギター」の不完全な味を好む方
- 重厚で重いギターならではの「低音の粘り」を最優先する方
パシフィカは、弾き手の色に染まりやすい
「真っ白なキャンバス」のようなギターといえます。
YAMAHA PAC112Vの価格と中古相場|2万円台から狙える高コスパ機
PAC112Vの購入予算と、中古を選ぶ際の注意点を整理しました。
実勢価格の目安
現在の市場におけるヤマハ PAC112Vの新品価格は、
税込34,000円〜38,000円前後です。
この価格帯でありながら、後述する本格的な木材や
高品質なパーツを採用している点は、
他社であれば5万円以上のクラスに匹敵するスペックです。
中古という選択肢について
中古市場では2万円前後で取引されることもありますが、
エレキギターの中古購入はより慎重さが必要です。
特に「フレット(指板の金属)」の摩耗や、
ボリュームのノイズなどは、初心者には判断が困難です。
調整済みの新品を手に取ることが、
上達への最短距離であることは間違いありません。
YAMAHA PAC112Vのモデル概要|豊富なカラーとパシフィカの伝統
パシフィカは、
1990年代にヤマハUSA(カリフォルニア)で開発されたシリーズであり、
現代的な演奏性を追求しています。
カラー展開と3文字のコード
PAC112Vは、色の選択肢が非常に多いことでも知られています。
検索で見かけるアルファベットは、以下の色を指しています。
- SOB(ソニックブルー): 爽やかで淡い水色。非常に人気が高い色です。
- UTB(ユナイテッドブルー): 深みのある落ち着いた青色。
- YNS(イエローナチュラルサテン): 木の質感を生かした、艶消しの黄色。
- VW(ヴィンテージホワイト): 少し黄色味を帯びた、温かみのある白。
- OVS(オールドバイオリンサンバースト): 伝統的なグラデーション。
- BL(ブラック): どんな服装にも合う、定番の黒。
ギターはスペックも大事ですが、
「この色が好き」と思えることも、
長く続けるための大切な理由です。
YAMAHA PAC112Vのスペックと特徴|初心者にとっての「意味」を解説
PAC112Vの性能を、初心者にとっての「体感」に置き換えて解説します。
| 項目 | スペック | 初心者にとっての意味 |
| ボディ材 | アルダー | 高音から低音までバランス良く鳴る、王道の木材 |
| ピックアップ | SSH配列 | 1本でクリーントーンから激しい歪みまで対応 |
| 指板 | ローズウッド | 落ち着いた音色で、指先の汚れが目立ちにくい |
| 機能 | コイルタップ | スイッチ一つで、音の太さを切り替えられる |
SSH配列:1本で何役もこなす
「SSH」とは、マイク(ピックアップ)の並び順のことです。
前側には繊細な音の「シングルコイル」、
後ろ側には力強い音の「ハムバッカー」を搭載しています。
SSH配列は、
1音ずつバラバラに弾くアルペジオ(指弾きなどの繊細な奏法)から、
ジャカジャカと激しくかき鳴らすロックまで、幅広く対応できます。
YAMAHA PAC112Vのメリット・デメリット|知っておくべき現実
メリット:高い演奏性と信頼性
パシフィカのネックは、手の小さな日本人でも握りやすいように、
わずかに細身に設計されています。
また、弦を支えるパーツの精度が高いため、
激しい演奏をしてもチューニングが崩れにくいのが最大の利点です。
デメリット:個性のなさをどう捉えるか
ネット検索で「パシフィカ 音が悪い」という言葉を見かけることがあります。
これは、あまりに音が整いすぎている(クセがない)ためです。
実際にはこの価格帯で本格的な「アルダー材」を使用しており、
初心者が練習する上で、これほど素直で扱いやすい音はありません。
YAMAHA PAC112V 初心者セットの内容と必要性の判断
エレキギターは、本体だけでは音が出ません。
- アンプ(Yamaha GA15II)
ヤマハ純正のGA15IIなどは練習用に優秀です - シールド(Fender Professional Series)
ギターとアンプをつなぐコード - クリップ式チューナー(KORG)
正確な音合わせに必須 - ストラップ(Fender Leather Strap)
立って弾くために必要
これらがあれば、届いたその日から練習を始めることができます。
初心者が最初に揃えたいものが揃っている「初心者セット」もあります。
YAMAHA PAC112Vと112VM・012の違いを比較|どちらを選ぶべきか
PAC112V vs 112VM
「M」は指板が白いメイプル指板を指します。
112VMの方が少し明るく、パキッとした音がします。
見た目の好みで選んで問題ありません。
PAC112V vs PAC012
PAC012はさらに安価な入門機です。
しかし、木材やマイクの品質が一段階下がります。
予算が許すなら、長く使える112Vを強く推奨します。
YAMAHA PAC112Vの評判・特徴まとめ|最初の一歩に最適な万能機
YAMAHA PAC112Vは、初心者が楽器に対して抱く
「何を選べばいいか分からない」という不安を、
その高い完成度で全て受け止めてくれるギターです。
ヤマハが「これからギターを始める人」へ贈る、
最も誠実な回答がこのパシフィカです。
新しい趣味を始めるのに、遅すぎることも、早すぎることもありません。
お気に入りの色のパシフィカを手に、最初の一音を鳴らしてみてください。
その澄んだ音が、あなたの日常を少しだけ鮮やかに変えてくれるはずです。
上位モデルとしてヤマハ PAC611VFMも存在します。

