フェンダーが提案する「アコースタソニック」は、
アコースティックギターとエレキギターを高次元で融合させたハイブリッドモデルです。
その革新的な仕様を、より入手しやすい価格帯で実現したのが、
メキシコ・エンセナダ工場で生産される
「フェンダー アコースタソニック プレイヤー(Fender Acoustasonic Player)」です。
結論から言えば、このモデルは
「アコギとエレキの境界をなくし、1本のギターであらゆる音色を自由に操りたい人」
にとって、これ以上ない唯一無二の回答になります。
この記事では、購入前に多くの人が抱く「生音の大きさ」や「電池の仕様」などの疑問と、
上位モデルとの違いについて整理して解説します。
フェンダー アコースタソニック プレイヤーはどんな人におすすめ?
アコースタソニック プレイヤーは、
単なるアコギの代用品でも、エレキの変わり種でもありません。
1本のギターで、全く異なる2つの世界を行き来できる「新しいカテゴリーの楽器」です。
具体的に、このモデルが「買い」な人と、避けたほうがいい人を整理しました。
- ライブでアコギとエレキを頻繁に持ち替える手間を省きたい人
- 夜間の自宅練習でも、エレキよりは響き、アコギよりは静かな音を求める人
- DAW(録音)環境で、手軽に本格的なアコースティック・トーンを取り入れたい人
- 使用アーティストの持つ独自の世界観に憧れる人
- 「本物の大型アコースティックギター」特有の、体に来る音圧や低音を求めている人
- 電源(電池)の管理を煩わしく感じる人
- 特殊な仕様の弦交換やメンテナンスに戸惑う人
フェンダー アコースタソニック プレイヤーは、
従来の「ギター」という枠組みを超えた、
クリエイティブな演奏ツールです。
自分のプレイスタイルにこの「二面性」が必要かどうかを、
まずは冷静に見極めましょう。
フェンダー アコースタソニック プレイヤーの価格と中古・廉価版の立ち位置
アコースタソニックには、
高価なアメリカ製(Americanシリーズ)と、
この「Playerシリーズ」があります。
新品の実勢価格とアメリカン・シリーズとの違い
現在の実勢価格は、150,000円〜180,000円前後(税込)です。
アメリカ製が30万円を超えるのに対し、
Playerシリーズは約半額の10万円台半ばから後半で推移しています。
主な違いは「ボイス(音色)の数」です。
アメリカ製が10種類の音色を選べるのに対し、
Playerは6種類に絞り込まれています。
また、アメリカ製は充電式リチウムイオンバッテリー、
Playerは汎用的な9V電池、
という電源仕様の差も大きなポイントです。
中古市場での相場と「バッテリー・電池」の状態確認
中古市場では、100,000円〜130,000円前後(税込)で見かけることが多いです。
中古で購入する際は、
特に「電池ボックス」周辺を確認してください。
前のオーナーが電池を入れたまま放置し、
液漏れを起こしていないか、端子が腐食していないか
は最優先のチェック項目です。
フェンダー アコースタソニック プレイヤーの主な特徴とスペック
アコースタソニック プレイヤーが、
どのようにして「アコギとエレキの音」を両立させているのか。
スペック表と体感解説で紐解きます。
ハイブリッド構造を支える基本スペック表
| パーツ | 仕様 | 初心者にとっての意味 |
| ボディ構造 | ホロウ(中空)アルダー | 内部が空洞のため、アンプを通さなくても生音が響きます。 |
| ネック形状 | モダンCシェイプ | ストラト同様の薄いネックで、アコギより圧倒的に弾きやすいです。 |
| 指板材 | ローズウッド | 伝統的な質感で、手馴染みが良く音に温かみがあります。 |
| ピックアップ | 2ピックアップ構成 | アンダーサドルピエゾと、エレキ用の磁気PUを搭載しています。 |
| 電源 | 9V電池(1本) | どこでも手に入る電池で駆動し、充電切れの心配がありません。 |
生音の大きさとサウンドホールの仕組み
中央に配置された
「SIRS(Stringed Instrument Resonance System)」と呼ばれる
特許取得のサウンドホールが、
コンパクトなボディながら豊かな共鳴を生みます。
生音はフルサイズのアコースティックギターほど大きくはありませんが、
夜間の自宅練習でも「弾いている実感」を得られる音量があります。
テレビの音を遮らない程度の音量で練習できるのも特徴です。
弦のゲージと弦高調整|エレキ弦は使えるのか?
出荷時には、アコースティックギター用の
「フォスファーブロンズ弦(.011–.052ゲージ)」が張られています。
このモデルはピエゾピックアップとモデリングによって
アコースティックサウンドを再現する設計のため、
基本的にはアコギ弦の使用が推奨されています。
エレキ弦を張ることも可能ですが、
アコースティックモード使用時の箱鳴り感や出力バランスが変わることがあります。
そのため、迷った場合はメーカー推奨のゲージを守るのが無難です。
アコースタソニック プレイヤーで後悔する人の特徴
購入後に「思っていたのと違う」と後悔する人の多くは、
このギターに「完璧なアコギ」または「完璧なエレキ」を求めてしまっています。
ボディが薄いため、アンプを通さない生音には、ドレッドノートのような重低音の「響き」はありません。あくまでアンプ出力が前提のサウンドです。
弦がアコギ用であるため、エレキギターのような深いチョーキング(ベンディング)は指に負担がかかります。また、ソリッドギター特有の「タイトな歪み」を追求するのには向きません。
「中途半端」と捉えるか、「どちらもこなせる唯一無二」と捉えるか。
ここが満足度の分かれ道になります。
アコースタソニック プレイヤーのメリット・デメリット
実用的な視点から、このギターの光と影を整理します。
メリット:アコギからエレキまで瞬時に切り替えられる万能性
- 軽量設計で長時間の演奏も快適
約2kg台前半と軽量で、長時間のステージでも肩への負担が少ないのが特徴です。 - ハウリングへの強さ
通常のアコギを大音量で鳴らす際に発生する「ハウリング」が起きにくい構造のため、
バンド内でも安心して使えます。 - 「弾きやすさ」の革命
アコギの音がするのに、ネックの感触はエレキ。
これまでアコギに挫折した人でも、スムーズに演奏できます。
デメリット:専用の弦選びと「音の個性」
- 電池が切れると音が出ない
エレキ専用のピックアップも電池駆動のため、
電池が切れるとアンプからの音は一切出なくなります。 - 「デジタル感」への懸念
内部でモデリング処理を行って音色を作っているため、
純粋なアコースティックギターの生鳴りとは質感が異なると感じる人もいます。
夜のギター練習における騒音や使い勝手については、こちらの記事で詳しく比較しています。

アコースタソニックのモデルの種類と選び方
現在展開されているPlayerシリーズには、主に2つの形状があります。
王道のテレキャスターとジャズマスターの違い
- テレキャスター形状(Telecaster)
最もコンパクトで取り回しが良く、
ストラトやテレキャスに慣れた人にとって違和感のない形状です。 - ジャズマスター形状(Jazzmaster)
ボディがやや大きく、テレキャスター形状よりも生鳴りが大きいと感じる人もいます。
エレキトーンはジャズマスターらしい太めのキャラクターになっています。
プレイヤー(Player)とアメリカン(American)の違い
アメリカン・シリーズは
「リチウムイオンバッテリー内蔵(USB充電)」で、ボイス数が10種類。
ボディトップに「シトカスプルース」という本格的なアコギ材を使用しています。
一方のPlayerは
「9V電池駆動」でボイス数は6種類。
スペックは簡略化されていますが、
ライブで使う分には6つの音色で十分すぎるほどであり、
電池交換ですぐに復帰できるPlayerをあえて選ぶプロも存在します。
アコースタソニック プレイヤーは電池?充電?電源仕様を解説
Playerシリーズの最大の特徴は、「9V電池1本」で駆動する点です。
9V電池駆動の利便性
アメリカン・シリーズのようにUSBケーブルで充電する必要がありません。
万が一ライブ中に電池が切れても、予備の電池さえあればすぐに復活できます。
バッテリー管理・液漏れ防止の注意点
電池の寿命はおおよそ15〜20時間程度とされています。
注意すべきは、「シールドを挿しっぱなしにすると電池を消耗する」という点です。
弾き終わったら必ずシールドを抜く習慣をつけましょう。
また、長期間(1ヶ月以上)弾かない場合は、電池を抜いて保管してください。
液漏れによる内部回路の故障は、修理費用が高額になるリスクがあります。
フェンダー アコースタソニック プレイヤーと相性の良い周辺機器
このハイブリッドな音色を活かすための、おすすめの周辺アイテムです。
アコースティック・アンプとエレキ・アンプの使い分け
アコギ・モードの音を綺麗に出したいなら、
レンジの広い「アコースティックギター専用アンプ」がベストです。
もしエレキ用アンプに繋ぐ場合は、
なるべく色付けの少ない「クリーン」の設定で鳴らすと、
アコースタソニック本来のトーンが楽しめます。
ホールカバーやピックガードによるカスタマイズ
アコースタソニックには専用のピックガードが装着されていますが、
これを好みの色に変更して個性を出すユーザーも多いです。
また、ハウリング対策の「ホールカバー」は、
サウンドホールのサイズに合ったモデルを確認してから購入するようにしましょう。
フェンダー アコースタソニック プレイヤーのまとめ
フェンダー アコースタソニック プレイヤーは、
アコースティックギターとエレキギターの特徴を1本にまとめたハイブリッドギターです。
エレキに近い弾きやすさを保ちながら、
アコースティックらしいトーンも扱えるため、
ライブや自宅練習、録音まで幅広い用途に対応できます。
「電池駆動」や「生音の特性」といったポイントを理解した上で選べば、
アコギとエレキを持ち替える手間を減らしたいプレイヤーにとって、
非常に便利な1本になるでしょう。
また、テレキャスターとジャズマスターの2種類があるため、
好みのボディ形状で選べるのも魅力です。
アコースティックギターらしい音量や低音を重視するなら、定番の Yamaha FG830 も人気です。

小ぶりで抱えやすいモデルなら、コンパクトな Yamaha FS820 も選択肢になります。

本格的なエレキを弾きたいなら、定番の Fender Player Stratocaster もおすすめです。

